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心のアンテナに引っかかったものを日々偏った愛で綴ります。


by naturally24
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「三谷幸喜と香取慎吾の大河な日日」

今日は、水曜日。
朝日新聞に三谷さんのコラムが載る日です。

先週辺り「組!関連」の話来るかなーと思ったら、
今日来ましたので、抜粋しつつご紹介。



「大河な日日」最後のせりふの心

題されてますね。












反省点は山ほどあるが、一番まずいのは第一話の冒頭。
このドラマは、新選組の最も輝いていた時のエピソードから始まり、
そこから近藤勇の青春時代に遡る設定だった。
そして半年後、最初のシ―ンに戻る「予定」だった。
ところが戻らなかったのです。
(中略)
こんなに長いものを書いたことがなかったので、
こういったミスもあるわけです。
ごめんなさい。




これって、池田屋のですよね。
一話の冒頭は、池田屋の軍議シーンだったんだっけ?

そいや、戻らなかったかー。
でも、なんか初めて1話の放送を見たとき、
ドキドキしたなー。
でも、全然ミスを感じないくらい魅力的でした。




一年にわたったドラマのラストで近藤勇は斬首される。
彼の最期の言葉は、一話を書く前から決めていた。




この連載でだったか、ラストの台詞は決めてあるって、言ってたけど、
一話の時点で決めてあったんだ。
凄いなー。

そしたら、やっぱり「かっちゃんとトシの友情物語」になるよね、うん。




台詞の解釈は香取さんに託した。

カメラの前で、香取さんは静かにその台詞を吐いた。
なぜか小さな笑みを浮かべていた。
それはとてもいい表情だったのだが、僕には笑顔のイメージがなかったので、
虚を突かれたような思いだった。
収録後、あの時、どうして微笑んだのか、香取さんに聞いてみた。

本番直前まで頭が真っ白だったそうだ。
カメラが回った時、彼の頭に浮かんだ言葉は
「トシ、次は一体何をしようか」だったという。
十代の頃から行動を共にしてきた親友への最期の言葉として、
これおり相応しいものがあるだろうか。
あれは希望の笑顔だった。
それは脚本家の想像を遥かに超えていた。
その瞬間、香取慎吾は紛れもなく近藤勇になった。





なんか、今でもちょっと泣きそうなんですけど...
知ってるエピソードなのに。


役を綿密に計算して演技をする山本耕史と、
気持ちで演じる香取慎吾。

その2人の違いを「山南さんの切腹後の縁側のシーン」に見た私は、
2人の違い」と言う記事を書いた。

その時から、2人は別れでどんな演技をするのか、
慎吾は最後にどんな気持ちになって、
どんな芝居をするのだろう、と思っていた。


一年以上、近藤勇を演じた香取慎吾の常に近くにいて、支えていた山本耕史が
誰よりもの支えであり同士だったのだろう。

最後の解釈を「トシ、今までありがとう」で終える事も考えられるし、
「トシ、先に逝くよ」という解釈も無いわけではない。

最期に近藤勇が泣いてもおかしくなかった、と私は思う。


でも、香取勇は最期は笑みを浮かべていた。
最期に希望の笑みを浮かべていたのだ。

だから、見終わって、悲しいけど、晴れやかな気持ちになれたのかもしれない。

仮に局長が悔いが残ったような、悲しい顔をしていたら、
最期のシーンは拷問より辛いものだっただろう。

局長の最期の笑みに救われた気がする。


やっぱり香取慎吾は近藤勇だったのだろう。



ステラでこのシーンをモニターの前で見ていた山本耕史の言葉が書いてあった。
買ってないから、うやむやだけど

まるで2人っきりで目の前にかっちゃんがいるように見えたという土方歳三は、
「そんなに悲しい顔をしないで。もう少ししたら、そっちにいくから」みたいな事を思ったと、
書いてあった気がする。

最期の最期に「トシ」と希望の笑みを浮かべ呟かれたが、
やっぱりトシにしてみたら、親友が目の前で斬首される瞬間、は、
悲しい顔に見えたのかな、と思った。
むしろ、土方歳三が悲しいからこそ、そう見えたのかも。


気持ちで演じる香取慎吾と、計算して芝居を演じる山本耕史は、
最終的には同じ方向を向いて。
見も心も「かっちゃん」と「トシ」になったと言う事なのだろうか。


クランクアップ直後の様子が土スタで流れていたけど、
この2人が抱擁した瞬間は、どういう気持ちだったのかな。

「お疲れさま」とかそういう気持ちではない涙だったと、最期を見た後に思う。

2人が顔を見あって抱擁した時の表情は、
説明出来ない表情だったから。


きっと、このときのこの瞬間の感情は、
2人にしか、わからないものなのだろう。




素敵な作品をありがとう、三谷さん。
そして、香取慎吾。

大河な日日、お疲れさまでした。
by naturally24 | 2004-12-22 22:44 | 新選組関連